Dockerイメージのビルドのコツ
Dockerは、アプリケーションをさまざまな環境で柔軟かつ効率的に構築、展開、管理するためのオープンソースの仮想化プラットフォームです。Dockerを使用することで、ソースコード、ライブラリ、環境変数、設定ファイルなど、アプリケーションに必要なすべてのコンポーネントを独立したコンテナにパッケージ化することができます。
しかし、軽量なアプリケーションをビルドするためには、いくつかのコツが必要です。
公式イメージを使用する
現在のDockerの普及により、多くのソフトウェアベンダーが独自のイメージを提供しています。公式イメージを使用することで、以下の利点があります:
- Dockerfileがシンプルになる
- ビルドが安定する(ベンダーがリリース前にテストを行っている)
- 生成されるイメージのサイズが小さくなる(ベンダーが最適化済み)
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最新イメージの使用を避ける
ソフトウェアベンダーが新しいバージョンをリリースする際、通常、新機能が追加され、古い機能が削除されます。そのため、latestイメージを使用すると、ビルドのたびにシステムが不安定になる可能性があります。
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Alpineイメージを選択する
Alpine Linuxの主な理念は小さく、シンプルで、安全であることです。そのため、多くのソフトウェアベンダーがAlpine Linuxを基盤にしたイメージを提供しています。Alpineイメージは、システムが安定して動作するために必要な機能を提供します。
ただし、Alpineイメージを使用する際は、ライブラリが不足している点に注意が必要です。これはAlpineの軽量化のため、最小限のライブラリしか提供されていないためです。
Alpine以外では、Docker Images SlimやDocker Cloudも良い選択肢です。使用するケースに応じて選びましょう。
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レイヤーキャッシュの活用
Dockerを使用していると、イメージのビルドが頻繁に行われます。最適化されたイメージをビルドしたり、不要なライブラリを更新したり、CI/CDプロセスを通じてリリースする場合です。毎回Dockerfileを再実行しないように、Dockerはレイヤーキャッシュ機能を提供しています。
イメージをビルドするとき、Dockerは以前のビルドをチェックします。レイヤーに変更がない場合、そのレイヤーはキャッシュから再利用されます。レイヤーに変更があった場合、そのレイヤー以降は再ビルドされます。
上記のように、プロジェクト内でファイルが変更された場合、composer installコマンドが再実行されます。
composer.jsonとcomposer.lockファイルは変更されることが少ないため、過去のビルドからパッケージをインストールすることができます。
レイヤーを操作するときは、変更の少ないビルドコマンド(パッケージのインストール、composer、nodeなど)を上部に配置し、頻繁に変更されるコマンドを下部に配置します。
レイヤー数を減らす
Dockerイメージのサイズを決定する要因の一つにレイヤーの数があります。多くのレイヤーを追加すると、イメージのサイズが大きくなります。イメージを作成するコマンド(RUN、COPY、ADD)がレイヤーを作成します。
アドバイスとしては、&&を使って複数のコマンドを1つにまとめ、レイヤー数を減らすことです。
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上記の例では、9つのレイヤーを作成する代わりに、&&を使用してレイヤー数を減らしました。複雑なシステムの場合、レイヤー数を減らすことでイメージのサイズを大幅に削減できます。
ただし、コマンドをまとめることで、レイヤーキャッシュ機能が失われます。わずかな変更でも再ビルドが必要になるため、レイヤーの追加や削除は慎重に行う必要があります。
結論
小さなイメージを作成することで、システムの展開が速くなり、システムの起動時間が改善され、セキュリティホールが減少します。Dockerイメージの最適化には時間と労力がかかりますが、それによって得られる利益は計り知れません。
![]() | Vũ Khắc Nguyễn Web Developer |